GLBとUSDZの違いとは?WebARで使う3Dファイル形式を徹底比較【2024年版】
GLBとUSDZの違い、それぞれの特徴、WebARでの使い分け方を解説。iOS/Android両対応のAR体験を提供するためのベストプラクティスと変換方法も紹介します。
TL;DR(3行要約)
- GLB: Android・Web向けの標準形式。オープン規格で対応ツールが多い
- USDZ: Apple専用形式。iOSのAR Quick Lookに必須
- ベストプラクティス: GLBで制作し、WebARサービスでUSDZに自動変換
GLBをアップロードするだけでUSDZに自動変換 → Pitat-ARで無料で試す
結論: GLBとUSDZの違いを1文で
GLBはAndroid・Web向けのオープン規格、USDZはApple製品向けのクローズド規格です。iOS/Android両対応のWebARを実現するには両方の形式が必要ですが、GLBで制作してUSDZに変換するのが効率的です。
GLBとUSDZの基本情報
GLB(glTF Binary)とは
GLBは、Khronos Groupが策定したglTF 2.0のバイナリ版です。
| 項目 | 内容 | |------|------| | 正式名称 | GL Transmission Format Binary | | 開発元 | Khronos Group(OpenGL、Vulkan策定団体) | | 初版リリース | 2017年 | | 拡張子 | .glb | | 性質 | オープンスタンダード(ロイヤリティフリー) |
GLBの主な用途:
- WebAR / Web3D
- Androidアプリ
- ゲームエンジン(Unity, Unreal Engine)
- メタバース(VRChat, Robloxなど)
USDZ(Universal Scene Description Zip)とは
USDZは、Apple社がPixarと共同開発した3Dファイル形式です。
| 項目 | 内容 | |------|------| | 正式名称 | Universal Scene Description Zip | | 開発元 | Apple / Pixar | | 初版リリース | 2018年(iOS 12) | | 拡張子 | .usdz | | 性質 | Apple製品に最適化(事実上のクローズド規格) |
USDZの主な用途:
- iOSのAR Quick Look
- macOSのQuick Look
- Apple Vision Pro
- iPadOS
GLBとUSDZの徹底比較表
| 比較項目 | GLB | USDZ | |----------|-----|------| | 開発元 | Khronos Group | Apple / Pixar | | 対応OS | Android, Windows, Linux, Web | iOS, macOS, visionOS | | WebAR | model-viewer、A-Frame等で広く対応 | AR Quick Lookのみ | | ファイル構造 | バイナリ(単一ファイル) | ZIP圧縮(単一ファイル) | | 圧縮 | Draco圧縮対応(50-90%削減) | 非対応 | | アニメーション | スケルタル、モーフ対応 | スケルタル、モーフ対応 | | PBRマテリアル | 完全対応 | 完全対応 | | ライセンス | ロイヤリティフリー | Apple限定 | | 対応ソフト | Blender, Maya, 3ds Max, etc. | Reality Converter, Reality Composer | | ファイルサイズ | 小さい(圧縮可) | 大きい(圧縮不可) |
なぜ両方の形式が必要なのか
スマートフォンシェアの現実
| OS | 日本シェア | 世界シェア | |----|-----------|-----------| | iOS | 約67% | 約27% | | Android | 約33% | 約72% |
出典: StatCounter 2024
日本ではiOSユーザーが多いため、USDZへの対応は必須です。一方、世界市場を見据えるならGLBも必須です。
プラットフォーム別の動作
【Androidユーザーの場合】
URLタップ → ブラウザでGLBを読み込み → AR表示
【iOSユーザーの場合】
URLタップ → SafariがUSDZを検出 → AR Quick Look起動 → AR表示
WebARを実現するには、アクセスしたデバイスに応じて適切な形式を配信する必要があります。
技術的な違いを深掘り
ファイル構造の違い
GLB(glTF Binary):
[12-byte header]
[JSON chunk] ← シーン情報、マテリアル、アニメーション
[BIN chunk] ← ジオメトリ、テクスチャ(バイナリ)
USDZ:
[ZIP container]
├── model.usdc ← シーン情報(バイナリUSD)
├── texture1.png
├── texture2.jpg
└── ...
圧縮技術の違い
GLBはDraco圧縮に対応しており、ジオメトリデータを50-90%圧縮できます。
| 圧縮方式 | 対応 | 削減率 | |----------|------|--------| | Draco(GLB) | ○ | 50-90% | | Meshopt(GLB) | ○ | 30-50% | | ZIP(USDZ) | ○ | 10-20%程度 |
スマホ最適化のコツ: GLBならDraco圧縮で5MB以下に抑えられますが、USDZは同じモデルでも大きくなりがちです。
GLBからUSDZへの変換方法
方法比較表
| 方法 | コスト | 品質 | 難易度 | おすすめ度 | |------|--------|------|--------|-----------| | WebARサービス | 無料〜 | 高 | 低 | ★★★★★ | | Reality Converter | 無料 | 最高 | 中 | ★★★★☆ | | オンラインツール | 無料 | 中 | 低 | ★★★☆☆ | | Blender + アドオン | 無料 | 高 | 高 | ★★☆☆☆ |
方法1: WebARサービスを利用(おすすめ)
最も効率的な方法です。
手順:
- GLBファイルをアップロード
- サーバーサイドで自動変換
- iOS/Android両対応のURLが発行
メリット:
- 変換品質が安定
- 手作業不要
- デバイス判定も自動
Pitat-ARでは、GLBをアップロードするだけで自動的にUSDZに変換。iOS/Android両対応のAR体験URLが即座に発行されます。
方法2: Reality Converter(Mac専用)
Appleが提供する公式変換ツール。最高品質の変換が可能です。
手順:
- Apple Developerからダウンロード
- GLBファイルをドラッグ&ドロップ
- マテリアル・ライティングを確認
- USDZとしてエクスポート
必要環境: macOS 10.15以降
方法3: オンライン変換ツール
手軽ですが、品質にばらつきがあります。
主なツール:
注意点:
- アニメーションが維持されないことがある
- テクスチャの色味が変わる場合あり
- 機密データのアップロードには注意
方法4: Blender + アドオン
技術者向けの方法です。
手順:
- Blenderでモデルを開く
- USDアドオンを有効化
- USD形式でエクスポート
.usdを.usdzにZIP圧縮
ベストプラクティス
制作フローの推奨
【推奨フロー】
1. Blender/Maya等でモデリング
↓
2. GLB形式でエクスポート(Draco圧縮ON)
↓
3. WebARサービスにアップロード
↓
4. 自動でUSDZに変換
↓
5. iOS/Android両対応のURLを発行
GLB制作時の注意点
| 項目 | 推奨設定 | |------|----------| | ポリゴン数 | 10万以下 | | テクスチャサイズ | 1024×1024〜2048×2048 | | テクスチャ形式 | JPEGまたはPNG | | アニメーション | 60fps以下、5秒以内 | | ファイルサイズ | 5MB以下(圧縮後) |
USDZで注意すべきこと
USDZに変換する際、以下の点で問題が起きやすいです:
- 複雑なシェーダー: GLBのカスタムシェーダーはUSDZで再現されない
- ブレンドシェイプ: 一部のモーフターゲットが維持されないことがある
- テクスチャ形式: 一部の圧縮形式(KTX2など)は非対応
FAQ: GLBとUSDZに関するよくある質問
Q. GLBとglTFは何が違うの?
A. glTFは「フォルダ構造」、GLBは「単一ファイル」です。
| 形式 | 構造 | 用途 | |------|------|------| | .gltf | JSON + 外部ファイル(.bin, .png等) | 開発・編集 | | .glb | すべてを1ファイルに格納 | 配信・本番利用 |
WebARではGLB一択です。
Q. USDZだけで配信したらダメ?
A. Androidユーザーが見られなくなるため、おすすめしません。
日本でも約33%がAndroidユーザーです。全員にAR体験を届けるには、GLBとUSDZの両方が必要です。
Q. 変換するとアニメーションが壊れることがある?
A. はい、複雑なアニメーションで起きやすいです。
対策:
- シンプルなアニメーション構造を心がける
- 変換後は必ずiOS実機でテスト
- 問題があればReality Converterで手動調整
Q. ファイルサイズはどちらが大きい?
A. 一般的にUSDZの方が大きくなります。
| モデル例 | GLB(Draco圧縮) | USDZ | |---------|-----------------|------| | 椅子(簡易) | 0.5MB | 1.2MB | | ソファ(詳細) | 2MB | 5MB | | 人物(アニメ付き) | 3MB | 8MB |
Q. Vision ProでもGLB/USDZは使える?
A. Vision ProはUSDZ形式が推奨です。
ただし、WebブラウザでのAR体験はGLBも使用可能。ネイティブアプリではUSDZが必須です。
まとめ: GLBとUSDZの使い分け
結論
| シーン | 推奨形式 | |--------|----------| | 制作・編集 | GLB | | Android配信 | GLB | | iOS配信 | USDZ | | WebAR(両対応) | GLB + USDZ(自動変換) | | Apple Vision Pro | USDZ |
最も効率的なワークフロー
- GLBで制作: 対応ツールが多く、圧縮も効く
- WebARサービスで変換: 手動変換の手間を省略
- 自動配信: デバイス判定をサーバーに任せる
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著者・参考情報
著者: Pitat-AR開発チーム glTF/USDZ変換・WebAR技術を専門とするエンジニアチーム。本記事はKhronos Group glTF仕様、Apple USDZ仕様に基づき執筆。
参考文献:
- glTF Overview - Khronos Group
- USDZ File Format - Apple Developer
- Reality Converter - Apple
- Draco 3D Compression - Google
更新履歴:
- 2024年12月17日: 初版公開