
WebAR開発を外注するには?見積もり前の確認事項と依頼書テンプレート
WebARの開発会社に何を伝えるべきかを、目的・3Dデータ・対応端末・納品物・運用の5項目で整理。見積もりの比較表と、そのまま使える依頼書テンプレートを掲載します。
WebARの開発を外注するとき、最初から詳細な仕様書を用意する必要はありません。ただし「商品をARにしたい」という要望だけでは、3Dモデルの準備、ページの制作、公開後の更新作業のうち、どこまでが見積もりに含まれるかを判断できません。
まずは、誰が、どの商品を、どの環境で体験し、その後に何をするかを整理します。この記事では、WebAR開発会社への相談前にまとめるべき5つの項目と、見積もりの比較基準、そのまま使える依頼書のひな形を解説します。掲載している確認表は発注準備のための目安であり、業界共通の必須書式ではありません。
ARの機能より先に利用場面を決める
必要な導線や画面設計は、利用場面によって大きく異なります。
| 利用場面 | 体験してほしいこと | 体験後の行動 | 開発相談で確認する点 |
|---|---|---|---|
| 家具のEC商品ページ | 部屋に置いたときのサイズ感を確認する | 寸法を確かめて商品ページで購入手続きへ進む | 商品ごとの導線、スマホ表示の挙動、実寸サイズの設定 |
| 大型設備の展示会 | 会場に実機がない製品の外観を確認する | 営業担当者から仕様説明を受ける | 会場の通信環境、説明用端末の手配、資料請求への誘導 |
| 紙の製品カタログ | 写真に写っていない背面や内部構造を見る | 製品の詳細情報を読む | QRコードの印刷、公開期間、リンク先URLの管理 |
画面内で3Dモデルを回転させる機能と、実際の空間に配置するAR機能は分けて伝えてください。ブラウザー上での3D表示と端末のAR起動では、必要となる技術や確認環境が異なります。公式の動作例でも複数の起動方式が区別されています。model-viewerのAR実装例
見積もり前に整理する5項目
1. 対象商品と公開する点数
最初に公開したい商品と、後から追加する商品を区別します。色違いやサイズ違いをどこまで対応に含めるかも記載してください。外観が共通で寸法のみが異なる製品でも、表示する3Dモデルと商品情報の紐付けを確認する必要があります。
初めから全商品の制作を一度に依頼せず、代表的な1商品で表示品質や更新の流れを検証する方法もあります。これは必須の手順ではありませんが、判断材料を早い段階で得る進め方として有効です。
2. 手元にあるデータと不足している情報
GLBなどの3Dファイル、CADデータ、製品写真、設計図面があるかを整理します。CADデータが存在していても、そのままWeb表示に使えるとは限りません。Web向けにデータを変換した際、材質や細部がどのように表示されるか、調整作業が必要になるかは実データで確かめます。
データを用意する際は、実寸の単位、基準となる寸法、正面の向きの情報を添えてください。AR配置が機能しても、実物と縮尺がずれていると利用者の判断を誤らせます。データ形式の基礎知識はGLBとUSDZの違いで解説しています。
3. 公開場所と対応する端末
自社サイト、ECの商品ページ、展示会用の特設サイトなど、公開先のURLと運用中のシステムを伝えます。PCでは3Dモデルを回転表示し、スマートフォンでは空間に実寸配置するといった、端末別の利用条件も明記します。
iOS端末ではUSDZ形式を用いたQuick Lookという仕組みが広く使われています。ただし、OSのバージョンだけで全機種の完全な動作を保証できるわけではありません。Android端末でのScene ViewerやWebXRの挙動も含め、事前に動作確認を行う対象端末、OS、ブラウザーの組み合わせを取り決めておきます。AppleのQuick Look案内
4. 納品物と公開後に自社で更新したい範囲
見積書には、納品物と作業内容を項目ごとに記載してもらいます。3Dモデルデータ、Webページ、サイトへの埋め込み作業、検証結果の報告書、操作手順書などが、それぞれ含まれるか確認してください。商品名やリンク先を自社で書き換えるのか、更新のたびに開発会社へ作業を依頼するのかも確認が必要です。
制作元のデータやソースコードの納品を希望する場合は、最初の相談時に伝えてください。これらは当然に含まれるとは限らないため、利用する配信基盤の継続費用と合わせて確認します。
5. 予算・公開日・社内の確認体制
予算の目安が決まっていなくても相談は可能です。「展示会の初日」など動かせない公開日と、テスト公開が可能な目標日を分けて伝えると進行管理が容易になります。製品の寸法、見た目の再現度、掲載文面を社内の誰が承認するかも決めておくと、確認の遅れを防げます。
見積もりは総額と対応範囲をセットで比較する
| 比較する項目 | そろえて確認する内容 |
|---|---|
| 3Dデータの準備 | 制作および調整する点数、材質設定、寸法の確認方法 |
| WebAR開発 | 標準的な表示機能と、個別開発が必要な独自機能の線引き |
| サイトへの組み込み | 対象ページ数、作業環境、自社側で対応すべき作業範囲 |
| 動作確認 | 検証対象とする端末やブラウザー、不具合発見時の修正基準 |
| 公開後の運用費用 | ホスティング費用、サービス利用料、更新作業の費用体系 |
| 修正と追加の扱い | 見積もり内に含まれる修正回数と、追加費用が発生する条件 |
提示金額に開きがある場合は、まず各社の作業範囲がそろっているかを確認してください。初期の開発費用と、月額のシステム利用料や保守費用は切り離して比較します。詳しい費用構成についてはAR導入費用のガイドを参照してください。Pitat-ARの受託開発では、ご提示いただいた条件をもとに個別の見積もりを作成します。
コピーして使える依頼書テンプレート
以下のひな形を埋めることで、開発会社への相談準備が整います。現時点で確定していない項目は「未定」と記入してください。
【利用目的】例:家具の商品ページで設置イメージを伝えたい
【利用者】例:スマートフォンで購入を検討するお客様
【対象商品・点数】
【色・サイズ違いの扱い】
【手元のデータ】GLB / CAD / 写真 / 図面 / なし
【実寸・単位を確認できる資料】
【公開先URL・利用中のシステム】
【必要な機能】回転表示 / 空間への配置 / その他
【体験後の移動先】商品ページ / 資料請求 / その他
【確認したい端末・ブラウザー】
【公開希望日・予算】
【希望する納品物】
【公開後に自分で変更したい項目】
【社内の確認担当・未決事項】
このひな形に個人情報や管理画面のパスワードを記入する必要はありません。最初の相談では、公開予定のWebページと利用目的が分かれば十分です。
よくある質問
仕様が固まっていなくても相談できますか?
相談可能です。対象となる商品、想定する利用場面、公開希望の時期を分かる範囲でお伝えください。具体的な機能を固める前に、そもそもARの導入が目的に対して適しているかも含めて検討できます。
写真資料だけで3Dモデルの制作を依頼できますか?
対象物の形状や写真の枚数によって対応可否が分かれます。正確な寸法資料や複数角度からの撮影画像が必要になる場合もあります。Pitat-AR本体には、写真から自動で3Dモデルを生成する機能はありません。
Shopifyへの組み込みも同じ見積もりで依頼すべきですか?
組み込み作業まで外注する場合は、その範囲を明記してください。Shopifyの標準メディア機能で完結するか、個別のARページ制作や追加開発が必要かによって作業工数が変わります。判断基準はShopifyのAR導入チェックで確認できます。
WebARの開発・導入を相談する
Pitat-ARでは、WebARの公開、既存WebサイトやECへの埋め込み、個別の受託開発に関する相談を受け付けています。依頼書の全項目が埋まっていなくても、目的や手元にあるデータに応じた実装方法を検討できます。
実機の表示を確認したい場合は、登録不要のARデモをご活用ください。
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対象商品や利用する場面をお知らせください。
対応範囲・費用・公開までの進め方をご案内します。
自分で試したい方は、セルフサービスの機能・仕様をご覧ください。


